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感想
「人間の意識をコンピュータに移す」「家族の身体をクローン化」など扱う題材が難しく、そしてなにより重かった。これらの題材というのは一重に感想を書くのは難しいが、ハッピーエンドってのはどんな創りをしていてもなかなか難しいんじゃないかなって思う。本作もご多分に漏れずそうだった。正直、よく本作を作ったなというのが率直な感想。
この辺の内容は、将来的には技術的に可能になってくると思うので、倫理の問題が1番のハードルになるが、そこをうまく表現できててよかった。日進月歩する科学技術と人間の倫理観が、時には対立し時には協調しているのがよかった。
扱う題材の難しさを置いておくと、いろいろな装置を開発し、様々な実験をしてた主人公の会社だが、それらのそれぞれの理由が個人的にはきちんとしてて腑に落ちた。
また実験の装置が新しい。頭の思考回路やシナプスをコピーするという作品は過去にもあるが、頭にかぶせるだけでよいお手軽な装置に、データのコピーの仕方は痛々しいものの理にかなってるんじゃないかっていう仕組みだったので見ていて面白かった。
まとめると、
キアヌリーブスが出演してるからといって気軽に観てはいけない作品かもしれない。理由はやはり、題材が重いことに尽きる。
想うこと
本作は、『プラチナデータ(東野圭吾)』に内容が近いように感じた。『レプリカズ』は人間の意識をコピーし、『プラチナデータ』は国民のDNAデータを管理していて、扱う内容が人間の、現在ではデータ化できそうかどうかという情報に着目しているところが似ている。そしてオチとしても、人間の倫理観だったり、(理由が良かれ悪かれ)データの改ざんだったりと似ている点が多い。
違いがあるとしたら、最後の読了(鑑賞)感。『プラチナデータ』はオチに驚くとともに安堵するが、『レプリカズ』はかなりもやもやする。それは、映像化されているか否かの違いかもしれない。

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