5月に鑑賞した映画のご紹介です。
かなりの良作に出会うことができて大変満足しました。今月観た4作品とも、作品評価平均が高いものの個人評価がすべて上回る形になりました。
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【鑑賞した作品リスト】と【感想】
from filmarks
1.チリ33人 希望の軌跡(The 33)2015 4.2/3.5
これに感動しない人なんかいない。見る前の期待値より1000倍よかった
こんな事件あったなぁという実話に基づいたもの、事件は2010年で今から12年前のこと。時は早い。
実際の事件名は、「コピアポ鉱山落盤事故」。事件が起きた場所は「サンホセ鉱山」という名前らしいが、”サンホセ”だとコスタリカの首都で広域であるため、場所の特定のために名前を小さい町に変えているよう。あと、事件が起きたのはチリ側のため。
この事件はチリや、鉱山での採掘の必要性と、そこに迫る社会情勢などいろいろな面を知ることができるいい教材だ。
救出方法がけっこう斬新で面白かった。採掘場の特異性を考慮しつつ、この方法を採ったのは勇気がある。
採掘場が閉じ込められてから、彼らは以下の生活を2週間ほど過ごしたという。これだけで、この事件の凄惨さがわかる。
「48時間ごとにマグロの缶詰を小ぶりのスプーンに2杯、牛乳を一口、ビスケットを1枚、桃の一切れ」であった
2.ハドソン川の奇跡(Sully)2016 4.4/3.9
けっこう胸が熱くなる展開だった
実際の2009/1/15の事件、『USエアウェイズ(現アメリカン航空)1549便不時着水事故』の裏側に迫った作品。事故の概要としては、離陸してすぐにバードストライク(鳥の群れが機体に突っ込む)し両エンジンが故障するというもの。
なお、原題の“Sully”は主人公の愛称。
この事故が奇跡と呼ばれる所以は、離陸直後(高度900km以下)で大都市マンハッタンの上空で、とても寒い冬に、両エンジンがショート、乗客が150人、そして全員無事ということだ。トラブル発生時に、機長と副機長がそれぞれの役割を迅速に担ったからこそ成し得た功績である。そのキーとなるのは『人的要因が考慮されているか』であったが、これはどの業界のトラブルでも考えなきゃいけないパラメータだろう。トラブルに対してどのように対処できるか?そこが重要な作品であった。
世間では英雄と慕われてても、裏ではこういった原因分析がきちんとなされている事実も知れて驚いた。本作の最も熱いシーンはNTSB(米国家運輸安全委員会)の会議室だったが、尋問に近くとも事実を捉えようとして、よく分析されていたのが面白かった。
この作品で最も驚いたのは一番最後。エンドロールで当時の乗客が集められていた。乗客がどのシートに座っていたかや、その中に機長もいて機長の思いが聞けてよかった。そして、かなりの現実味が帯びる。
いつも気軽に乗る飛行機、多くの人の努力や安全に運行するキャビンクルーやパイロットの存在を忘れてはならない。それを再認識させてくれる良い作品。
3.イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(The Imitation Game)2014 4.7/3.9
この話とんでもないんだが
主人公は天才的な数学者であるが、「現代のコンピューター科学の父」とも呼べる功績を持っている。2021年6月彼の誕生日に英国で新50ポンド紙幣が発行されたが、その肖像画こそ主人公アランである。
本作は彼の功績に迫った出来事についての話。
まず、彼を知ってる人は少ないんじゃないだろうか。少なくともわたしは全く知らなかった。まさかこのような方がいたとは、というのが一番の感想。
一部事実と違うよう。
開発したマシンは幼き頃に好きだった子の名前を使った「クリストファー」ではなく「ボンブ」という名前。また、0からマシンは作っておらず、ポーランド製の暗号解読機を改良したとのこと。
彼の死に方、同性愛やタイトルにもなったイミテーションゲーム、ドイツの暗号の仕組みと解読しようとしてる手法の解説など、もっと深堀りしてほしかった場面が多くそれは心残りになる。
※死体近くにはかじったリンゴがあった、最後のほうで女性ホルモンを投与されていた、タイトルは論文のタイトルであり理論、総当たり方式では難しかった、など。
終戦しても長く機密情報扱いだったアランの功績や生き方については情報が詳細に残っていなかったが、脚本家のオタクぶりが発揮されたから作品を完成に作り上げたのだろう。この作品がなかったら、彼は世間にあまり知られていなかったかもしれない。
この作品の難しいところは、内容もさながらであるが、時間軸を行ったり来たりさせていること。普通に時系列順で描いたら単純な作品になってしまうことを避けた結果なのかもしれない(純粋に原作通りかもだが)
カンバーバッチの演技がかなり迫力があってよかった。似てる役柄で言うと、「ソーシャル・ネットワーク」ジェシー・アイゼンバーグを思いだすが、ただ単純に天才が難問を解いたというだけに終わらず、物語として主人公の個性や時代背景がかなり色濃く影響していたのが良かった。
後味悪いというか後味がスッキリしない作品だなぁ。それもこの作品の良さなのかもしれない。難しい人生を与えられた彼の生き方に目が離せない
ITが好きならかなりはまること間違いない作品。
4.ウォーリアー(Warrior)2011 4.6/4.1
演技力のすごさ、かなり心打たれる作品
ちなみに、3年前ならこの作品は観ていなかった。最近は 那須川天心vs武尊 のK-1だったり、朝倉兄弟のRIZINだったりと何かと格闘技やその関連のSNSが盛り上がっていて、その潮流を受けて観たといっても過言ではない。そのため、ロッキーはまだ未視聴。
この作品は、酒乱の父親を持つ2人の息子が主人公。理由はどうあれ、もともと格闘技界にいたわけでなく過去の境遇も現状もぜんぜん違う2人が、個々人の境遇や生活のために格闘技をはじめてルール無用で戦い勝ち続けるトーナメントで巡り合う。
作品の流れとしては、けっこう完璧だと思う。
物語として、ちょっと上手く出来すぎてるなと感じる場面や、主人公らが強くなりすぎてるなと感じる場面が少々あるものの、男たちが勝ち上がる物語を主軸にそれ以外の雑音をほとんど入れなかったのはすごい。これは証拠に、作品の長さに対してスパルタ(優勝賞金が5億円の総合格闘技トーナメント)の時間が約半分と長いことからもわかる。まぁロッキーも観たことがないのでそういう感想なのかもしれないが。
なにより演技力がすごいです。酒乱だった父の再度堕ちる場面や、格闘シーン、その準備やトレーニングシーンと、ただ単に男たちが闘うだけでなくそこに物語があったのが見逃せなかった。
さいごに
5月に出会った作品が良かった理由は、DVDレンタルの序盤にある予告を観て、良さそうなものを借りたことにあります。予告が意外に重要な役割を示してることに改めて気づきました。
鑑賞歴



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